塩田平ガイドマップ(6)

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北向観音芭蕉句碑です。

芭蕉
観音のいらか見やりつはなの雲

東武松露菴門人 別所 手塚 連中建
安永甲午暮春

塩田平ガイドマップには掲載がなく、別の碑が「芭蕉句碑」として載っていますが、こちらの方がよく知られていると思います。
安永3年(1774)3月、芭蕉80年忌に加舎白雄(かや しらお 1738-1791)の別所・手塚の門人によって建てられたものです。(松露菴は加舎白雄の師の松露庵烏明のこと)
揮毫は小島麦二(こじま ばくに 1732-1810)です。(以前は加舎白雄とされていました。)
小島麦二は上田の商家で、この家からは大正時代に上田温泉電軌(今の別所線等)を創設した実業家、小島大治郎(1859-1929)が出ています。
http://museum.umic.jp/jinbutu/data/012.html

当時の別所・手塚の門人です。(『俳諧帒表紙』(1773)等より)
別所:星烏、青羊、桃林、林鹿、大露、文露、拴馬、吟雨、如鴎、菱鏡、一壺、桃渓
手塚:双魚、圭林、鳳五、和風

これらの門人について詳しいことはほとんどわかっていないようです。『手塚誌』(2013)にも関連の内容はありませんでした。書簡等まだ埋もれているのかも。

ちなみに、ガイドマップにある「芭蕉句碑」は「古池や蛙飛びこむ水の音」の句で、解説に「俳句の愛好家などが建てた」とありますが、碑文と建碑願書によれば寛政12年(1800)地元の個人が建てたものです。