2013-01-01から1年間の記事一覧

武石の黄鉄鉱とブセキ

写真は武石の緑色凝灰岩に含まれる黄鉄鉱とブセキです。 黄鉄鉱は塊状で空隙を埋めるように出来ていたり、石英脈の中に出来ていたりします。 一番下の写真がブセキです。 黄鉄鉱とブセキとを見比べていると、産出状態があまり似ていない、共通していないよう…

武石小学校の校章とブセキ

1番上の写真は武石小学校の建物にある校章です。 同校のウェブサイトに校章についての説明があります。 http://www.school.umic.jp/takeshi/2009/0401-113905.php この校章は大正15年(昭和元年)に一般からデザインを募集して作られました。デザインしたの…

クロスベディング

砂岩層の断面です。だいたい右への水の流れでしょうか。 細かい模様の地層が横にずっと続いていてとてもきれいです。 近付いて見ると、砂の色や褐鉄鉱・磁鉄鉱の色が、起伏の模様を描いて、風景画のように見える部分もあって面白いですね。

落ちてきそうな岩

山の沢は9月の台風の集中豪雨で斜面が崩れて、今も倒木が折り重なっている所があります。大きな岩も転がって、景色がずいぶん変わりました。 写真中央の岩は、今にもずり落ちてきそうで、近付かないようにしています。先日もまだこの状態でした。 5年ほど前…

切り石

箱畳池の西から丸子の方へ100メートルほど行くと道の左に「切り石」があります。 「切石は古くから北佐久郡と小県郡の郡境の目印にされてきた石」とのことです。 http://www.town.tateshina.nagano.jp/gaiyo/bunkazai/238/000210.html 江戸時代の金子詮寅(…

郷路山 輝閃富士岩

加茂神社の石碑に使われたという郷路山の安山岩は、長野県地学標本には2つ入っています。 富士岩(安山岩)の標本は 石英富士岩 複輝石富士岩(6個) 輝閃富士岩(3個) 角閃富士岩(3個) 英閃富士岩(3個) 雲母富士岩 橄欖富士岩(2個) 玻璃質富士岩 等…

石ころワールド展

戸隠地質化石博物館の企画展「石ころワールド -石ころから見る大地の生い立ち-」を見てきました。 長野県のいろいろな川の石ころが展示されていて、それぞれの違い、石ころがどこから来たのか等の解説がありました。 地質図と石ころを使ったパズル、石を叩…

五無斎保科百助碑

長野市加茂神社の五無斎保科百助碑を見てきました。 横の国道を車で通るとき目にしていましたが、じっくり見たのは初めてです。 偶然、神社の近くで地元の方と少しお話をしましたが、その方は大きな石碑があるのは知っているが、保科百助の名前は知らないと…

石英、方解石、燐灰石

先日、貫入岩の露頭で、岩石の空隙に数ミリの小さな鉱物結晶があるのを見つけました。石英のようでしたが、燐灰石が出るという話も聞いたので、硬度などを調べてみました。 最初、晶洞に希塩酸をかけてみたら、発泡しました。しばらくして確認すると、石英の…

石ころワールド、台風、化石

戸隠地質化石博物館で企画展「石ころワールド」が始まりました。 2013年9月21日(土)~12月1日(日) http://www.avis.ne.jp/~kaseki/kikaku2013.htm 川原の石ころは身近で手軽に観察できますが、楽しみ方はなかなか難しい、というか、アイデアやコツが要る…

雨境峠の鳴石

先日、立科の女神湖に行って来ました。 あいにくの曇り空で山は見えず。 雨境峠の鳴石も見てきました。 2メートル余りの大きな石で、昔の祭りの場だったと言われています。 巨石の遺構を見ると、地震を鎮めるための要石か? と思ってしまうのですが、特に関…

ヤマホトトギス

先日、武石の沢沿いで見たヤマホトトギスです。 2段の噴水、花火みたいな面白い花ですね。 同じ場所ですが、個体によって模様に変化があるようでした。花柱の下部の斑点も、多くあるもの、ないもの、少ないもの、がありました。

児童生徒科学作品展

今年も上田創造館で上小児童生徒科学作品展を見てきました。 目録によると194作品で、地質関係は5点ほど。珪藻化石の観察など、とても勉強になりました。 標本や写真・図は見ているだけでも楽しくなります。子供達にもできるだけ多く見てほしいです。次回の…

太郎山の黄鉄鉱と切子砂

上田創造館の企画展「上田地域の地層・化石・鉱物」は9月1日(日)まで開催するそうです。明日(最終日)は時間があるかもしれないので、できればもう一度行きたいです。 1枚目の写真は同展より、太郎山の黄鉄鉱です。1センチほどの大きなものが展示してあり…

鯨類化石

上田創造館の企画展「上田地域の地層・化石・鉱物」に、神川で最近見つかったというイルカの化石が展示されていました。石灰質ノジュールの断面に肋骨・椎骨などが見えています。何年か前にも近くで鯨類化石が見つかって話題になっていました。上田市には地…

武石の武石(ブセキ)

先日、武石(たけし)の地質観察会でブセキの入った凝灰岩を見ました。武石公園からは遠く離れた場所で、ちょっと意外でした。 緑色凝灰岩に黄鉄鉱が入っていることは多くあります。石英脈にできているもの、ロウ石化した中で半ば塊状になっているもの、それ…

標本からわかることを示すこと

写真は企画展「上田地域の地層・化石・鉱物」から、火山灰に関する資料・標本です。 火口からの距離によって軽石の大きさが変化することを、実物を使って示しています。 ちなみに国土交通省「浅間山火山防災マップ」によると、火山噴火で一番遠く飛ぶ石は、…

企画展「上田地域の地層・化石・鉱物」

上田創造館の企画展「上田地域の地層・化石・鉱物」を見てきました。 8月31日まで。 広いスペースにたくさんの標本と解説のパネルが並んでいます。 主に第四紀の研究をされている山辺邦彦先生がほとんどの展示を監修されたそうで、他では見られない、特徴的…

夏休みの企画展

博物館などで行う夏休みの企画展・イベントは毎年楽しみにしているのですが、今年はイベントにはほとんど行けそうにありません。 地学関係では、佐久市子ども未来館で羽毛恐竜をテーマにした企画展があります。 期間:2013年7月20日(土)~9月1日(日) ホ…

送り犬、山犬、オオカミ

上の画像は、上田小県誌 自然篇(1963)に載っていた、上田高校所蔵のオオカミ頭骨の写真です。この実物はまだ見たことがありません。 ※追記:長野市立博物館の企画展(2017年夏)で実物を見ることができました。恐竜たちがやってくるhttps://kengaku5.hatenab…

明治時代のオオカミの話

図書館で郷土資料のコーナーを見ていると、昔の野生動物(哺乳類など)について書いたものもあって、面白いです。 「青木村の今昔」は明治40年9月、当時、青木小学校訓導だった有矢金治郎が書いた本で、それを昭和60年に活字本にしたものです。内容は青木村…

サッカーゴールと校内放送

図書館で郷土資料のコーナーを見ていたら「ミレニアム写真集 うえだ今昔物語」という昔の写真を集めた本がありました。中央公民館が平成13年3月に発行したものです。とても興味深い本なのですが、一つ、間違いでは?と思える写真がありました。上の1枚目の写…

沸石を加熱したら(続き)

方沸石と魚眼石の破片を火であぶってみました。上が方沸石、下が魚眼石です。 方沸石は赤くなって融けましたが、灰沸石のようには縮まず、大きくは割れましたが、細かく砕けることはありませんでした。炎の色の変化は確認できませんでした。 魚眼石は融けな…

沸石を加熱したら

灰沸石(または中沸石)を加熱したらどうなるか試してみました。 柱状結晶のかけらを火であぶると、すぐに赤くなって、ゆっくり融けて縮みました。 脆くなり、押すと簡単に粉々になります。 結晶のかけらは薄く細い方が変化がわかりやすいようです。 灰沸石 …

蛍光する岩石

ブラックライト(長波)で身近な岩石を照らしてみました。 最初の2枚の写真は安山岩で、風化して白っぽい部分が黄色く光ります。同様に表面だけ部分的に光る岩石や鉱物があるので、どうもその石に由来するものではなく、土壌や水に含まれる蛍光物質が染み込…

「良い標本を持っていることがむしろ恥ずかしい」という言葉

川辺に大きな岩が2つほど崩れ落ちていて、地質の観察や鉱物採集をするのに良い場所があったのですが、先日行ってみたら、岩がすっかり砕かれていました。たぶん、鉱物採集が目的だったのだろうと思います。 工事でもない限りは見られないようなものだったの…

上田のカラスが減少した話(続き3)

写真は大正11年に建てられた小県蚕業学校の新校舎と、それが昭和19年12月9日の空襲で全焼したときの様子です。「上田東高校110周年記念事業 特別展 蚕都上田と三吉米熊」(2002) 58頁、61頁より。 校舎の向こうに太郎山が見えます。この麓にカラスの大群の冬…

上田のカラスが減少した話(続き2)

長野県のカラスのねぐらについて、昭和37年(1962)、昭和41年(1966)の調査報告がありました。インターネットで閲覧できます。 山岸哲「カラスの就塒行動について 第1報 長野県下での秋冬の塒について」(1962) 羽田健三・飯田洋一・香川敏明・母袋卓也・山岸…

上田のカラスが減少した話(続き)

写真はトビを追い払うカラスです。 上田のカラスが減少した話について、上田民俗研究会「上田盆地 第2号」(昭和35年)に記事があったので引用します。筆者の中村常雄さん(1889-1967)は 松谷みよ子「現代民話考」の中でこの話の話者(昭和31年の採話)とされ…

塊状の沸石

安山岩の中に脈状・塊状に沸石が入っていることがあって、写真はその小さな標本です。 これは大部分、方沸石ではないかと思います。透明~白色で、はっきりした結晶の形は見えませんが、小さな結晶面が無数に見えることがあります。 母岩と接する付近には、…