2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

鞍が淵の伝説と沙石集

鞍が淵の伝説に関係して、手塚村の村誌にこんな記述があります。 「長野県町村誌 手塚村」 明治15年(1882) 往昔一寺あり、住僧蛇女と姦すと云ふ 砂石集に信濃の塩田の里の山、奥寺に通ふ女ありて二女を産すとあり、蓋此ならんか。 「砂石集」は沙石集のこと…

弘法石と多字一石経

写真は上田市立信濃国分寺資料館編「鎌倉の古代・中世文化と上田地方」(2008)より、手塚東紺屋村経塚の 経石です。一つの石に経文を複数文字書いたものなので多字一石経と言います。昭和53年(1978)、このような石が2762点出土しました。 「長野県町村誌 手塚…

弘法石の謎

弘法石の話はあまり知られていないかもしれません。この話は「日本伝説叢書 信濃の巻」にあるのですが、他の伝承に関する本ではほとんど見られません。 藤沢衛彦「日本伝説叢書 信濃の巻」大正6年(1917) 334ページ 弘法石《こうばふいし》[上田地方七不思議…

「そろばん玉のような蛇骨石」の謎

上田市誌 自然編には蛇骨石について次のように書かれています。 「上田市誌 自然編(1) 上田の地質と土壌」平成14年(2002) 19ページ 灰沸石は,以前はソーダ沸石と呼ばれたもので,針状の結晶が放射状にくっつきあっていて,そろばん玉のように見えるものは蛇…

「蛇骨石=灰沸石」についての疑問

写真は国立科学博物館に展示されていた「中沸石」です。石の方は光ってしまって見えなくてすみません。 地学系の本には「蛇骨石=灰沸石」のように書かれていることがあります。確かに一番目に付くのは灰沸石です。しかし、母岩には灰沸石以外の白色の鉱物も…

保科百助 没後100年

昨年は自然観察会の他には、あまり時間を取れませんでした。面白かったですが、いろいろ中途半端な状態です。少し範囲を絞った方が良いのかもしれません。 今年は保科百助の没後100年です。面白い企画があるといいですね。 保科百助についてはこのブログにも…