2015-01-01から1年間の記事一覧

近所の頁岩層

このところ雪も雨もないので山道もまだ普通に通れます。近所で30分ほど化石採集をしました。黒い頁岩が白くボロボロになっている所で、年に1回行くか行かないかという頻度。少し上がると砂礫層があるので青木層でしょうか。 薄く割れて散らばっている頁岩の…

灰沸石 Scolecite の確認について(続き)

写真は独鈷山(とっこざん)の郷土環境保全地域の看板です。昭和55年の指定。 「独鈷山一帯の大切な自然を守るため、みだりに植物・岩石等を採取しないようにしましょう。」とあります。 標本を採取した「仏挟沢谷口付近」の「山腹」もたぶんこの範囲内でし…

灰沸石 Scolecite の確認について

平成元年頃の灰沸石 Scolecite の確認について、調べた資料は以下の2つです。 塩野入忠雄『千曲川中流地方の岩石の産状と観察』(1989) 東信史学会『千曲 第79号』(1993) 「独鈷山の蛇骨について」塩野入忠雄 塩野入忠雄氏が標本を採集、北海道大学の八木健三…

アレチウリとグレンドナイト

アレチウリの実です。金平糖形の glendonite を連想して面白がっているのは、石好きだけでしょうか… 個々の実の形も、たぶん最もポピュラーな形態に似ています。(平板な両錘形、一方の端は鋭く、他方は比較的鈍い) スケッチは比企忠(ひき ただす)のもの…

塩田平ガイドマップ(19)

生島足島神社境内の諏訪社の記事で、槻の大木の影が生島足島神社に届いたという伝説について書きましたが、実際はどんな影が見られるのか気になったので、少し高い場所、安曽岡山のパノラマ展望台へ行って見てきました。 1枚目の写真、細長く伸びているのが…

オーバーハング

先日、ある露頭(化石)の案内をしてほしいとのお話があったのですが、立ち入り禁止で(以前あった立ち入り禁止の立て札が今は無い様子)、ヘルメットをしても落石で命の危険があるような場所なので丁重にお断りしました。 昔、資料を作ったときも、危険のあ…

市民カエル調査の結果

写真は波板にくっついていたアマガエルです。 先月、松本市の市民カエル調査の結果が出ていました。 市民カエル調査 https://www.city.matsumoto.nagano.jp/shisei/kankyojoho/osirase/kaeruchousa.html 「市内カエルマップ」が楽しみです。 報告数はトノサ…

まち歩きマップと赤備え

写真は上田創造館の企画展「真田一族の足跡」より、「当世具足(戦国末) 長和の里 歴史館蔵」です。 長和の里歴史館のウェブサイトでは「当世具足」と書いてあるだけでした。 六つ星紋は戸田松平氏でしょうか。 ウェブで検索したところ、同様の六つ星の赤い…

大正橋の赤い小石の謎

戸倉上山田温泉の大正橋(2002年)の歩道に埋め込まれたレッドジャスパーの磨き小石です。 全部で99個あるそうです。 橋の袂に「恋しの湯の伝説」についての案内があります。(3枚目の写真。下に内容を書きました。) ところが、『戸倉町誌 第一巻 民俗編』(19…

青木層の貝化石

塩田西小学校所蔵の青木層(中新世中期)のイズモユキノアシタガイ(Cultellus izumoensis)を見せて頂きました。(和名は「イズモノアシタガイ」等もあるようです。) 知識不足で見分け方がよくわからず、部分的なものは同種かわかりませんでした。厚み(殻…

塩田平ガイドマップ(18)

前山(まえやま)の空池(からいけ)の跡です。 ガイドマップの地図では塩野池の北西に「空池(馬場跡)」とありますが、実際には塩野池の端から真西へ約300メートルの辺りです。 江戸時代の中頃、1736年に築造されましたが、水漏れのため使用できませんでし…

「真田一族の足跡」展

上田創造館の企画展「上田地域に残る真田一族の足跡」を見てきました。 11月20日(金)~12月13日(日)まで。 21日(土)、22日(日)、28日(土) 13:30から展示解説があるそうです。 文書、絵画、絵図、城跡、寺社等の写真が中心で、説明は多くはないので、できれば…

塩田平ガイドマップ(17)

「生島足島神社摂社諏訪社本殿及び門」(県宝)です。 この諏訪社本殿は慶長15年(1610)、真田信之(1566-1658)の寄進で改築されました。真田昌幸(1547-1611)の死の前年になります。最晩年は病気がちだったそうで、信之は出来たばかりの社殿で父の回復も祈った…

イシクラゲと不明化石

以前、たぶんバクテリアによる生成物ではないか、と書いた、硫化鉄(黄鉄鉱・白鉄鉱)の塊についてですが、例えば、よく見かけるイシクラゲ(陸生の藍藻)にも似ています。中の細部や何かの成分の有無とかで、成因について判断できたりすると面白いですね。…

立科町文化展

今年も立科町文化展を見てきました。6日(金)から明日8日(日)まで。 例年通りの盛大なイベントですが、自然や歴史関係の展示がほとんどなく、その点は個人的にはちょっと残念でした。 ふるさと交流館「芦田宿」の1階で、「未来の蓼科(立科)をデザインする」…

塩田平ガイドマップ(16)

写真は塩田城跡の石碑の辺りです。 ガイドマップの解説文には「県下最大規模の平山城で、長野県指定史跡。 戦国時代、現坂城町の葛尾城を本拠とする村上氏の家臣福沢氏が管理していた。 その後、武田信玄に取って代わられ、武田氏滅亡後は真田氏が後を受け、…

上田創造館の文化祭

上田創造館の利用団体合同作品展を見てきました。 4日(水)まで 10:00~16:30(最終日15:00) とのこと。 写真、手芸、切り絵等と、自由研究の作品(夏の展示作品の一部)の展示でした。 昨年はおもしろ科学少年団の活動の様子の写真がありましたが、今年はそれ…

川西公民館まつりの展示

今年も川西公民館の文化祭を見てきました。(明日1日は9:00~15:30) シナノイルカについての展示(化石のスケッチと概要解説)が少しありました。 発見当時の資料としては、泉田時報の記事(3回ほど)や槇山次郞の論文(日本語と Basic English のもの)等…

化石採集体験

先日、化石採集体験のイベントに参加しました。 主に別所層だったので、魚、貝、植物の化石標本とその拡大写真を持参して見て頂きました。標本ラベルにはイラストや写真を入れてみました。小さな化石ばかりで、他の人にはあまり面白くなかったかもしれません…

北御牧郷土資料館のアケボノゾウ化石

火のアートフェスティバルにあわせて開館している北御牧郷土資料館のアケボノゾウ化石の展示を見てきました。11日(日)の開館時間は10:00~15:00とのこと。 今回はアケボノゾウ、ケナガマンモス、アフリカゾウ、アジアゾウの臼歯(左上顎第3大臼歯)の比較の…

保科百助の学習会と『信濃公論 復刻版』

土曜日に保科百助の狂歌についての学習会に行って来ました。 保科百助の狂歌は洒落や面白さを追究したというより、日常の中で目の前にいる人に語りかけるようなものが多いですね。用の洒落という感じ。 一円かおやま(小山)たまげた鐚《びた》もなし のばし…

泉田博物館の植物化石

写真は泉田博物館の展示の一部です。小さな資料倉庫といった感じで、シナノイルカ(県宝)とクジラの化石の他に、多くはありませんが近辺の化石、鉱物、土器・石器等が展示されています。定期開館はしていません。2011年4月に小泉大日堂の御開帳に合わせて開…

伝承の保護者と破壊者

35年前の民話採集についての記事ですが、興味深い内容なのでご紹介します。 上田民俗研究会『上田盆地』第19号(1980)(昭和55年4月) 「上田・小県地方の民話」大沢智恵 36頁(32頁~) ○おわりに (中略) 二、民話の採集者、再話者が気をつけたいこと 上田…

塩田平の伝説

写真は、ため池フェスティバルのとき、入り口に置いてあった民話関係のイベントのチラシです。 こういうのも面白く貴重とは思うのですが、もっと基礎的な調査や研究はないのかな、とも思います。地域にどんな伝承があって、どのように伝えられ、どう変化して…

上田創造館の植物化石

上田創造館の植物化石標本から、上は小川層の泥岩(写真の幅約12cm)、下は別所層の泥岩(葉の化石の長さ約12cm)です。 植物の種類についての説明はありませんでした。 小川層の標本の中央の葉と右下の葉はブナかなと思います。はっきりは見えませんが縁が…

7年前の化石採集

2008年9月の化石採集体験イベントの記事がこのブログの始まりでした。 あれからそれなりに前進できた部分もあるとは思いますが、大して変わらないような気もします。 採集した化石は標本箱にまとめて今も活用しています。不明化石はほとんどそのまま… 上の写…

塩田平ため池フェスティバルの資料展示

先日、塩田平ため池フェスティバルの資料展示を見てきました。今年の会場は塩田公民館です。ため池に関する資料や写真、道具類などの展示でした。 2枚目の写真は3Dプリンタで作った地形モデルです。 パソコンで3D表示はできますが、もし安価に作れるなら模型…

魚の耳石と昆虫の化石

上田創造館で自由研究の作品展を見た後、鉱物・岩石・化石展示室へ行ったら、また鉱物や化石の標本が増えていました。 2枚目の写真は魚の耳石?(有孔虫かも)の化石(青木層)、3・4枚目は甲虫の前翅の化石(大杭層)です。 下2枚の写真(耳石とアオザメ剥…

上小児童生徒科学作品展

今年も上田創造館の自由研究の作品展を見てきました。今日と明日の開催です。 185点。地質関係は5点ほどでした。毎回、全部丁寧に見る時間がないのが本当に残念です。 川原で磁石につく石ころをたくさん集めて調べた作品があって面白かったです。さらにつっ…

塩田平ガイドマップ(15)

ガイドマップで「林東馬の碑」とされている石碑です。解説に「「万古」と刻まれた林東馬(東馬焼を始めた陶工)自筆の碑」とあるのですが、碑文には「依田紀書」とあり、林東馬の名前は見えないので、どういう関係の碑なのか、わかりませんでした。 以下、碑…