亀石いろいろ

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信濃奇勝録にある小諸の亀石の2つの図です。亀石と呼ばれる石は各地にあって、これは砂泥層の褐鉄鉱質の塊りだそうです。明治時代には保科百助も採集しました。(数の不足等のため「長野県地学標本」には入っていません。)矢澤米三郎や八木貞助も調査しています。学校等に昔の標本があるかもしれませんが、たぶんほとんどは、特徴の少ない赤黒い石で、捨てられてしまったものもあるかも… また、黄鉄鉱・白鉄鉱を含むものだと、分解して残っていない可能性も。

信濃奇勝録では、色は黒赤、両面に文様、長さ約10cm、似像の物((亀の甲羅に)模様や形が似ているもの)、筋(文様の線の部分?)は低い(凹の意味か?)、としています。図の一つ(下側)はカメの甲羅に似ていますが、文様が少し違っていて、化石である可能性は低いでしょうか。偶々化石が混じっている可能性はなくはないですが、それを思わせる記述(他の石との違いについての言及等)はありません。

焼餅石、鳴石、鈴石、壺石、禹余糧等の褐鉄鉱質のノジュールは外国ではどのように呼ばれているのかと思い、検索してみたところ、limonite limonitum iron iron-oxide 等と nodule concretion geode 等の言葉が使われているようでした。他には、septarian, tortoise / turtle stone, crocodile cracking など。

Iron-Oxide Concretions and Nodules
http://meteorites.wustl.edu/id/concretions.htm

信濃奇勝録 巻之3
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/765066

地質ニュース 2001年7月号 No.563 加藤碵一・遠藤祐二「石の俗称 亀と石」
https://www.gsj.jp/publications/pub/chishitsunews/news2001-07.html