釈迦見坂

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昔の『しおだ町報』に別所温泉の釈迦見坂のことが書いてありました。
山の形をお釈迦様の寝姿、寝仏に見立てる話です。有名なのは阿蘇大観峰等。

『しおだ町報 昭和33年6月5日』東川多寿男「別所温泉と石造文化財」より引用
安楽寺の東、殿戸峠の入口に、釈迦見坂という所がある。ここから独鈷山、安曽岡の山々をながめると、お釈迦様のねた自然の姿をみられるのもおもしろい。


具体的な見立て方は書いてありませんでしたが、実際に行ってみると、女神岳とその尾根の陰になって、見える範囲が限られるので、選択肢は多くはなさそうです。

1枚目の写真、右奥の高ボッチ(1104m)が顔で、中央奥の安曽岡山との間の深いへこみが顎から喉、という見立て方だと思います。または、高ボッチとその右の高みを合わせて顔に見立てることもできるかも。
(道はほとんど林の中で見晴らしは良くはありません。この写真も木々の間を見つけて枝を手で動かして撮影しました。)

2枚目の写真は塩田西小学校近くからです。

曲尾勝著『宝庫・西塩田の民話伝説をたずねて』(2014)にも同様の話がありました。具体的な見立て方はありませんでしたが、同じ著者で『塩田中学校PTA新聞 第146号 平成22年7月26日』に同様の記事と写真が載っていることを教えて頂き、コピーを見せて頂きました。(3枚目の写真)
3枚目の写真の青線部分、高ボッチとその右の高みを合わせて「女神」の顔に見立てたようです。

どうやら、決まった見立て方が伝承されているわけではないようでした。
念仏や観音観等にも通じるもので、似ている似ていないにこだわるのではなく、自然の中に神仏の姿を見るという行い自体を大切にしているのかもしれません。


4枚目の写真は、以前も書いた独鈷山の北西の峰(呼称は「天ヶ嶽」等)の雪形です。
yの字の形に見えることが多いと言っていたら、あの右側の出っ張りは龍の背に乗った龍の子太郎に見立てるんですよ、と教えて頂きました。現代的な面白い見立て方ですね。

龍の雪形など
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/35057721