「蛇骨石=灰沸石」についての疑問

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写真は国立科学博物館に展示されていた「中沸石」です。石の方は光ってしまって見えなくてすみません。

地学系の本には「蛇骨石=灰沸石」のように書かれていることがあります。確かに一番目に付くのは灰沸石です。しかし、母岩には灰沸石以外の白色の鉱物も含まれていて、伝承には鉱物の区別に関係するような話は見当たりません。すると、「蛇骨石=灰沸石等の白色の鉱物」の方が実態に近いのかもしれません。
八木貞助は「信濃鉱物誌」(1923)の魚眼石の項で「蛇骨=諸種の沸石類」としています。

八木貞助「信濃鉱物誌」大正12年(1923)
178ページ
六一 魚眼石 Apophyllite (中略)
小県郡西塩田村手塚にては俗に蛇骨と称し、黒色の安山集塊岩中に魚眼石・輝沸石・曹達沸石等諸種の沸石類を共出す、集塊岩の噴出後に於て、熱水(摂氏百度以上)液の作用によりて成生せるものと考へらる。