オオバタグルミの化石

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東御市立図書館のオオバタグルミの展示を見てきました。
展示期間は11月18日から一ヶ月程度とのこと。
http://shinshu.fm/MHz/22.56/archives/0000402888.html

一緒にアケボノゾウの切歯、臼歯と現生クルミの標本も展示されていました。

現生のバタグルミもあるかなと思ったのですが、それはありませんでした。
バタグルミとオオバタグルミの違い・関係がわからなかったので少し調べてみました。

バタグルミ(Juglans cinerea L.)は北米東部に現生するクルミで white walnut とか butternut と呼ばれています。「バタ」は butter でしょうか。果実は大きく細長くて4センチほど。写真を見ると殻の表面の溝が深く、でこぼこしています。

オオバタグルミ(Juglans megacinerea Chaney)は鮮新世更新世の化石種で、果実は大きいもので7.5センチ、表面の溝はバタグルミよりさらに深いように見えます。展示標本は右端が約6センチ、あとの2つは約4センチ。

オオバタグルミが各種のクルミに進化し、また小型化してバタグルミになったと考えられています。

クルミの誕生と進化
http://www.jpwalnut.jp/museum/walnut/evolution.html


オオバタグルミは昭和の初め頃まではバタグルミとされていました。宮澤賢治が採集して早坂一郎(1891-1977)の論文に書かれた「バタグルミ」や、「銀河鉄道の夜」に書かれた「黒い細長いさきの尖ったくるみの実のようなもの」はオオバタグルミですが、今も「バタグルミ」と呼ばれることも多いようです。

東北大学創立100周年記念理学部サイエンス展示
http://www.museum.tohoku.ac.jp/science/person.htm

上記ページより引用

なお、宮澤賢治岩手県花巻市の“イギリス海岸”から産するクルミ化石を早坂に送り、早坂はこれをバタグルミ(Juglans cinerea Linnaeus)として記載しました。(現在はオオバタグルミ Juglans megacinerea Chaneyとされています)。