北御牧村の地層の研究

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東御市 北御牧庁舎に文書館と市民交流サロンがオープン。文化財展示コーナーにアケボノゾウ化石、貝化石、植物化石等が常設展示されたとのことで、見てきました。
(ただし、一部、展示用ラベルの無い標本・資料があり、標本とラベルが入れ違っているものもいくつかあったので、まだ仮展示状態だったのかも…)

昭和39年~40年頃の北御牧中学校地学班の資料のコーナーには、当時の冊子・ファイル、写真、化石標本約40点(貝化石10点、植物化石27点他。その後の採集品を含む)が展示されていました。

4枚目の写真、木の葉化石は『東部町誌 自然編』(1989)にも載っていたヤハズハンノキの標本です。他にも本でしか見たことがない標本の実物を見ることができて嬉しかったです。

一番下の写真、中央の冊子『北御牧村の地層の研究 -淡水棲貝化石を中心として-』は「1964・6・4」とあるので、同月7日に松本の信州大学文理学部で開催された長野県地学会の集会での発表用資料だと思います。
左に見えている賞状の写真は「昭和40年度長野県学生科学賞作品展覧会 知事賞」「第9回日本学生科学賞地方審査 最優秀賞」(共に昭和40年11月6日)。
右の『化石掘り 北御牧中学校地学班』の冊子についてはわかりません。

どこの地域でも、先人の活動から現在までの一歩一歩(または隔絶)を感じられるような展示を作って行けたら良いなと思います。

新聞記事から概略を書いてみました。
北御牧時報 昭和39年5月、8月、昭和40年10月
信濃毎日新聞 昭和39年3月24日、4月26日、6月8日、昭和40年12月10日
富沢恒雄『信州のゾウ化石を探る』(1981) 49頁

昭和39年3月 小学校6年生が貝化石を発見・採集。
北御牧中学校 茨木宣雄先生、上田高校 山岸猪久馬先生から東京教育大学 大森昌衛先生に鑑定を依頼、カタドブガイと鑑定される。
昭和39年4月25日 茨木先生・山岸先生と生徒が発掘調査。
昭和39年6月7日 北御牧中学校地学班が長野県地学会で研究結果を発表。
昭和40年11月6日 北御牧中学校地学班の研究が長野県学生科学賞作品展覧会 知事賞(最優秀賞)を受賞。
昭和40年12月頃 化石60点・スケッチ20枚を北御牧資料館へ出品。化石20点・スケッチ8枚を小諸市火山博物館へ出品。(信濃毎日新聞 昭和40年12月10日記事より)
昭和41年2月 『地学研究 第17巻 第2号』に大森昌衛・茨木宣雄「長野県小諸層群から発見された淡水棲貝化石群について」が掲載。

関連の以前の記事です。
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34616282
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34628794