井出道貞(1757?-1842?)『信濃奇勝録』の松代の土鑵子(どうかんす)の図です。
夏に長野県立歴史館の河童の企画展で展示されたのですが、残念ながら行けませんでした。
「歴史館たより 2018年夏号」の写真を見ると、骨の加工品であることは間違いなさそうですが、何の骨でしょう。ゾウかクジラか、輸入品の竜骨石(ゾウや恐竜等の骨化石)という可能性もあるかも。
真田信之と鈴木右近が見つけたという伝承があり、もしもこれが地元産の化石で、採集時の確実性のある記録が残っていれば、面白いですね。
歴史館と言えば、先日テレビで「松本博覧会列品表」(明治7年の第2回目のもの 松本市文書館蔵)を見ました。いろいろな奇石の名前や「両頭蛇骨」(個人)、「蛇骨」(筑摩郡潮澤村)もありました。蛇骨は骨格標本や作り物かもしれませんが、潮澤村(たぶん旧明科町の潮沢)のものは魚・鯨等の骨化石の可能性も。土鑵子のように今もどこか(例えば郷土資料館とか)に保管されているのかもしれません。
信濃国の明治維新
https://www.nbs-tv.co.jp/focus-shinshu/2018/12/post-33.php
長野県立歴史館 君は河童を見たか!-水辺の出会い-
https://www.npmh.net/exhibition/kikaku.php?m=2&n=285
歴史館たより
https://www.npmh.net/publication/index.php?g=5
信濃奇勝録 巻之5(9~10コマ目)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/765068
土鑵子(どうくわんす)
寛永の頃松代の先侯千隈川にて手つから網(あみ)を引給ひしに土焼(やき)にして図(づ)の如くの物網に掛りて揚(あか)りたり是を藩中の鈴木氏に預(あつけ)給ひしよしいかなる物とも名状(めいしやう)すへからす只名つけて土鑵子といふ鈴木氏園中の小祠に納置とそ
土鑵子 惣色さび鉄色 重み石より軽し 高三寸七分 横五寸五分
上下より見る形 此筋の通り穴貫きてあり
径四寸 四寸五分 前とも見ゆる方穴如此
蓋(ふた)の如き物上下につきて有しか後にはなれたるよし
うしろとも見ゆる方