須坂の一目髑髏

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江戸時代の『信濃奇勝録』『信濃奇区一覧』で須坂の一目髑髏(ひとつめのどくろ)について書かれた文中にある、額の穴の図です。(一目髑髏全体の絵図は無いようです。)
トランヴェール』2018年7月号ではゾウとハクジラの二説を紹介していましたが、この穴の形からも、クジラ・イルカの可能性が高いのかなと思います。(※追記:額の穴の図への言及が無かったのでこのブログ記事を書いてみたのですが、荻野慎諧著『古生物学者、妖怪を掘る―鵺の正体、鬼の真実』(2018年7月)には主要なポイントとして書かれていました。奇勝録の活字本にはこの図を正確に写していないものもあるので、本を読んでも穴の形のことを知らない人もいます。)
出土した場所が「塚」なので、埋蔵物、他所からの持ち込み品の可能性も。

筑摩郡原村(松本市 原?)の蚺虵骨(ぜんじゃこつ)も、この須坂の一目髑髏も、宝物としてどこかに所蔵されていそうにも思うのですが、わかりません。

マイルカ科(ハンドウイルカ(バンドウイルカ)等)
https://www.kahaku.go.jp/research/db/zoology/marmam/pictorial_book/list_delphinidae.html

トランヴェール 2018年7月号 [特集] 大地、海、宇宙を翔る。荒俣宏妖怪探偵団~信州の夏は、ワンダー~
https://www.jreast.co.jp/railway/trainvert/

大蛇の骨の謎
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/36365852

信濃奇勝録 巻之5(25コマ目)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/765068

一目髑髏(ひとつめのどくろ)
須坂の普願寺(ふくわんじ)の近辺に一箇(ひとつ)の塚あり上に欅(けやき)の朽(くち)たる株(かぶ)ありて其下を穿(ほり)たりしに竒なる髑髏(とくろ)ひとつ出たり両眼の痕(あと)は窊(くぼ)く形有て穴にあらず其中に小き竅(あな)あり額(ひたひ)に [※穴の図] 如此(かくのことく)の穴一ツあり是眼(まなこ)の跡なるへし尖(とが)りたる骨数々ありて栄螺(さゞい)のごとし数多(あまた)の脚夫(にんぶ)怪物(くわいぶつ)なりとて打砕(くだか)んとせしを寺僧みてこは鬼類(おに)の頭(かうべ)なるへしとて筥(はこ)に収(をさめ)て庫中(こちう)に秘(ひ)し容易(たやすく)人に見せす 予文化十二年五月其地に遊ひ田中氏の許(もと)にて密(ひそか)に見たり上腭(うはあご)のあたり鋒骨(ほうこつ)簇々(ぞく/\)として最(いと)もあやしき物なり若(もし)かゝるものゝ生(いき)て出る事あらはいかなる禍(わさはひ)をかなすへき 一説有畧之
出雲風土記曰昔或人大原郡阿用郷作山田于時目一鬼来食
佃之男所食男云阿欲々故曰阿欲神亀三年改字書阿用