郷路山 輝閃富士岩

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加茂神社の石碑に使われたという郷路山の安山岩は、長野県地学標本には2つ入っています。
富士岩(安山岩)の標本は
石英富士岩
複輝石富士岩(6個)
輝閃富士岩(3個)
角閃富士岩(3個)
英閃富士岩(3個)
雲母富士岩
橄欖富士岩(2個)
玻璃質富士岩
等があり、輝閃富士岩は、郷路山の2種と立科山のものです。
含まれる鉱物の違いが見てわかるように、各種選んだのでしょうか。

野帳 第一冊に「白色のもの」「赤色を帯ぶるもの」の採集記録があります。


保科百助「野帳 第一冊」より(「五無斎保科百助評伝」83頁)

第弐拾八号 長野学校 蜜柑箱西原に預け置く
一 輝閃安山岩 一一〇 白色のもの
輝石若くは角閃石の斑晶を付けて採集せり
明治三十四年六月廿九日採集
一 同 一一〇 赤色を帯ふるもの
同日採集せり 長野町を距る北方五六町にあり
以上本岩の説明は震災予防調査会報告書第六十二頁にあり


「震災予防調査会報告書第六十二頁」とは、震災予防調査会「震災予防調査会報告 第八号」(明治29年3月9日発行)「妙高火山彙地質調査報文」(山崎直方、小藤文次郎)のことのようです。郷路山についての記述があります。野帳には郷路山と書いてありませんが、「長野町を距る北方五六町」とあり、郷路山で間違いないでしょう。

ちなみに野帳の記録では、6月は諏訪から小県に戻り11日まで西内村で採集、別所温泉青木村で採集、(14日午前に長野の師範学校信濃教育会常集会に出席) その後2週間採集記録がなく、29日郷路山で採集、その後また2週間採集記録がなく、7月15日安茂里で採集、となっています。