蓼科学「保科百助に学び足跡をたどる」

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先週、蓼科高校の蓼科学「保科百助に学び足跡をたどる」を受講しました。
講師は佐久教育会 保科百助委員会の原英正先生と友野裕一先生でした。
スライド写真、岩石・化石の標本、問いかけを多用した活気のある講義でした。
板書のキーワードは、保科百助、五無斎、熱血教師、しゃあしゃあ石、緑簾石、実物教育、狂人、奇人、学校教育、県立図書館。

教授法の話と、佐久での地学標本の現状調査の話が興味深かったです。
最近は教育上の業績が注目されているのでしょうか。保科百助一人だけでなく、明治の実物教授・ヘルバルト式教授の実態、それらとニギリギン式教授法の関係とか、面白そうなテーマと思います。
理科の授業で保科百助の岩石標本を使っている学校があるとのこと。様子を実際に見ることができたら、と思いました。

学生は何を感じたのでしょうね。
保科百助のような型破りな人物を身近に感じるのは良いことだと思います。
教授法は学生生活には直結する話で、モチベーション維持・障害低減のために、教材準備や動機付けの知識は役に立つでしょう。学校でも会社でも、やる気をなくさせる天才というのは、いるものです。

保科百助の研究としては、『全集』『評伝』に未収録の資料の収集と公表、それから、誤り・風説の訂正なども期待しているのですが、結構な作業量になるので難しいのかもしれません。
例えば、今回の資料でも「長野県地学標本」の標本数が236になっていました。(実際は243)
「しゃあしゃあ石」は保科百助自身の言葉なのか、記録はあるのか、そうでないとしたら誰の言葉なのか、とか。

上2つの写真は講義で見せて頂いた、佐久の小学校にある緑簾石の標本です。「信州産岩石鉱物標本」(明治43年)の可能性はありますが、番号ラベルがなく、不明です。これまで見てきた102番の緑簾石はどれも焼餅石タイプではないので(3番目の写真)、別の標本の可能性もあると思います。
下2つの写真は番号ラベルと貼付跡の例で、貼付位置指示の朱点が見えます。


学習カードで、保科百助校長先生に触れての想いを、できたら短歌で、とのことだったので、
手の中の石の重さと輝きと理科室に沸く声を忘れず
百年の昔を生きた百助の夢は今もこの学び舎にあり
この頃は何でもほめてくれるなりこれぞ余徳と五無斎笑うや