泉田博物館の植物化石

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写真は泉田博物館の展示の一部です。小さな資料倉庫といった感じで、シナノイルカ(県宝)とクジラの化石の他に、多くはありませんが近辺の化石、鉱物、土器・石器等が展示されています。定期開館はしていません。2011年4月に小泉大日堂の御開帳に合わせて開館していたので見学しました。そのときは、ガラス越しで特に照明もないので、展示場所によっては見えにくく、写真もあまり撮れませんでした。

写真の左端の白っぽい石は東御市の姫子沢の木の葉化石です。昭和26年の寄贈。
『東部町誌 自然編』によると、大杭層で湖成層とのこと。以前は泥炭層と珪藻土層の露出があって、泥炭は戦争中に採掘したそうです。当時の露頭は現在はなくなっているようです。

『東部町誌 自然編』(1989) 84頁より引用
姫子沢の泥炭層と珪藻土
現在は農地整理によりこの地層は削り取られなくなってしまったが,第二次世界大戦の時は泥炭を石炭の代用品として燃料に使われた。

同書 92頁より引用
珪藻土からは,保存のよくない葉の化石が採集された。また,珪藻化石も採集された。泥炭からは花粉分析によって花粉化石を取り出すことができた。


写真の右上にはいくつか珪化木があります。基本的に小県郡内のものですが、右上隅の一つは石川県の国指定天然記念物「手取川流域の珪化木産地」(桑島化石壁のある所)のものとのことでした。昭和33年4月の寄贈。天然記念物の指定が昭和32年7月なので、それを聞いて寄贈したのかも。

博物館や学校の理科室等の古い標本を見ていると、興味深いものがいろいろ見つかります。

ところで、シナノイルカについてウェブで検索していたら、シナノイルカのレプリカらしき写真がありました。古い木枠に入っていて 左下に KUJC95032 と書かれています。もしかして発見後に京大で調べたときに作られたのでしょうか。現在は京都大学総合博物館の所蔵のようです。

古生物標本 日本横断データベース
http://jpaleodb.org/kyoto-u/detail.php?id=2569

在日本脊椎動物化石標本データベース
http://jafov.jpaleodb.org/detail.php?SEQN=25&FILE=jafov1