イルカの化石

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四賀化石館で安曇野市産のシナノイルカの頭蓋化石を3月から常設展示するそうです。
20年ほど前に見つかったもので、近年の研究により、シナノイルカと同種であることが確認されたとのこと。また、世界最古のマイルカ類の化石になるそうです。

シナノイルカ頭蓋化石の展示
http://matsu-haku.com/shigakaseki/archives/186

化石が見つかった地層を「約1300万年前 別所層」としていますが、上田市のシナノイルカは「約1500万年前 別所層」とされています。別所層・青木層の年代も変わってきているのでしょうか。

イルカおよびくじらの化石
http://edu.umic.jp/zukan/work/column001.htm


もう少し詳しい内容です。

平本潤「長野県の中新統別所層および青木層から産出したイルカ化石について」(2014)
http://www.geol.tsukuba.ac.jp/seminar2014.html

日本古生物学会 予稿集
2015 第164回例会 豊橋市自然史博物館
平本潤・甲能直樹「長野県の中部中新統別所層および青木層より知られる Sinanodelphis izumidaensis の系統学的位置づけに関する再検討」
http://www.palaeo-soc-japan.jp/Japanese/meeting_abstract.html


2014年には北海道新十津川町のマイルカ科化石が世界最古とされました。

世界最古となるマイルカ科の化石が判明
http://www.yomiuri.co.jp/adv/wol/news/news_140702.html


新十津川町の化石、安曇野市の化石、それと以前ここにも書いた、明治30年に神保小虎・保科百助・小林直次郎が青木村で見つけた化石(上の図)は、よく似ています。左右非対称で、頭を上にして")"のように曲がっている様子など。

青木村の化石もシナノイルカの可能性があると思います。もし確認されれば、マイルカ化石の研究史の最初に神保小虎・保科百助・小林直次郎の名前が来るかも。
この化石が今どこにあるのか、わかりませんが…

関連の記事等です。

明治30年 海獣の頭骨化石
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/29565216

泉田博物館の植物化石
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34767791

川西公民館まつりの展示
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34827902



槇山次郞「信濃別所頁岩に見出された中新世海豚化石」(1935)
地球 第23巻 第5号
http://hdl.handle.net/2433/177764

古生物標本 日本横断データベース
http://jpaleodb.org/kyoto-u/detail.php?id=2569