木化硅石など

保科百助「長野県小県郡鉱物標本目録」の中で気になった名前を3つ。

木化硅石 方名 木石

黄硫鉄鉱 方名 オンバガ子(オンバガネ) 黄金箔金の謂ナラン?

? 方名 ドイン石 粘土質圓筒形ノ土塊ニシテ粘土中ニ混在ス土圓石ノ謂ナラン?」比企云即高師小僧ナリ

木化硅石は「博物館列品目録」(明治13年)に
モクカギョクズイ 木化珪石 Wood-opal
があります。珪化木のようです。当時の用語は基本的に訳語で、先行の蘭学等の言葉か、意味の近い既存の言葉か、造語なのだろうと思います。この語源もどこにあるのかたどってみたら面白そう。
それと、他に珪化木の産出は聞いたことがないので、本当に珪化木だったのか、気になりました。

オンバガネは博物館等で実物を見たことがありません。似た名前で「日本金石産地」(明治12年)に
黄硫鉄鉱 原称 姥金石
というのがありました。たぶん層状の硫化鉄の、層を皺に見立てたのではないかと想像していますが、わかりません。

ドイン石は、円筒形で高師小僧と言われたのであれば、たぶん雲根志などにある「土殷げつ」のことでしょうね。これも実物を見たことがないので、まだわかりませんが。