千曲之真砂・信濃国小県郡年表の土油

瀬下敬忠(1709-1789)の「千曲之真砂」(1753)に赤井村の石油の話があります。上野尚志「信濃国小県郡年表」もそれを引用しています。
1730年頃のことだとすると、松平上田藩の初期です。松平忠周か忠愛か。
一度現地を見てみたいですが、赤井村、日向村、御屋敷の南、等、場所がまだよくわかりません。


瀬下敬忠「千曲之真砂」(1753)
附録 国中怪異奇談

小県郡赤井村澁澤といふ所に土油いづ、十五六年以前、地頭 上田領也、より試みに、人をして取らしむ、一日に二人して二升余取なり、その臭き事甚し、穢らはしきもの也、又頭痛を患ふる者なとに、はなはた右の気の毒也といへり、依て停止す、檀田村の土油と同しき物也、上田城下より二里はかり有、里俗は洗馬の油澤と名付る也、


上野尚志「信濃国小県郡年表」(1984) 75ページ
油澤(又澁沢)
前條御屋敷の南(古図日向村とあり今の赤井なるべし)土油を生ず。
千曲真砂云十五六年巳前地頭より試に取らしむ二人を以て一日ニ升余を得其臭きこと甚しく穢はしきものなり。