木村蒹葭堂の石戈

木内石亭「雲根志 三編」(1801)巻之五 鐫刻類 付録 諸家所蔵神代石図 に木村蒹葭堂所蔵の「石戈」がありますが、図を見ると玄能石のようです。江戸時代にも玄能石が石器と考えられたことはあったのかもしれません。

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石戈
越後産紫褐色堅硬鐡の
如し長一尺二寸五分
廻り中にて八寸五分
浪華蒹葭堂所蔵


長さは一尺約30.3cmとすると38cm近く。玄能石ならあり得る大きさです。尖頭器でこれほど大きなものはあるのでしょうか。(ちなみに、曲尺の一尺二寸五分は鯨尺の一尺です。もしかしたら「鯨尺で一尺ほど」という意味なのかもしれませんが、確かではありません。)

この「石戈」は寛政9年(1797)10月の奇石会にも出品されたそうです。大きなものなので、今もどこかに残っているかもしれませんね。