鶏岩の卵

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UCVレポートで鶏岩(とりいわ)の卵の話が出ていました。
石神の石上布留社の御神宝で、長く忘れられていましたが、2008年に再発見されたというものです。実際に見たことはないので、いつか見られたら良いなと思います。
資料は『信州の鎌倉 塩田平の民話』(1993)にあり、それ以前のものは見つけられませんでした。
※追記:上田中学校『郷土の伝説』(昭和9 1934)にほぼ同一文の「鳥居岩」の話がありました。
https://kengaku2.blogspot.com/2019/04/blog-post_25.html

地域の宝160枚のカルタに 上田市立東塩田小学校 12月20日(火)
http://www.ueda.ne.jp/movie/

にわとりいわ(鶏岩)の卵が発見!!和田峠黒曜石か!? 2008年11月25日
http://shinshu.fm/MHz/22.56/archives/0000262371.html

民話に伝わる石「鶏岩の卵」2008年12月01日
http://shinshu.fm/MHz/22.56/archives/0000262936.html

『信州の鎌倉 塩田平の民話』(1993) 160頁より

(一)鶏岩の卵
 古安曽《こあそ》の安曽岡山に鶏《とり》岩という岩があります。この岩は“雄鶏岩”《おんどりいわ》と“雌鶏岩”《めんどりいわ》とから成り、その大きさは小山ほどもあります。この岩の上に大きな松が茂っていました。
 昔この“雌鶏岩が”三つの卵を産みましたが、その卵は普通の卵とは違ってかたい石の卵でした。そして此の三つの卵は、今も古安曽《こあそ》にある、安曽神社の宝物となっています。そのことが古文書に書いてあります。
   宝物三個の鶏卵の形
    周囲            長さ
 大 二尺(約61センチ)     八寸(約24センチ)
 中 一尺八寸五分(約56センチ) 七寸五分(約23センチ)
 小 一尺八寸(約55センチ)   六寸五分(約20センチ)
 神川王長同一と言う人が、此の宝物を讃美して、「大いなる哉《かな》安曽の社《やしろ》、鶏石宇宙に輝く」と文章に記されたということです。


上記の「古文書」がどのようなもので、どこにあるのかは、わかりませんでした。
「神川王長同一」という人についてもわかりません。

上の写真は上田創造館にある独鈷山の松脂岩(球状節理)です。大きさは鶏岩の卵と同程度。広く分布しているデイサイト・流紋岩の一部に見られるものです。もしかしたら3つの卵の中に独鈷山の松脂岩もあるのかもしれません。

平井寺トンネルの貫通石が黒曜石だったという話が『ふるさと塩田 村々の歴史 第二集』(1988)にありました。(40頁) これも実物を見ていないのでわかりませんが、黒曜石に近いような真珠岩、松脂岩だった可能性もあると思います。

『信州の鎌倉 塩田平の民話』には鶏岩のたたりの話もありました。天保年間(1830-1844)、村の庄屋が鶏岩付近の岩を運び出したところ一人息子が怪死したという話です。事実なら何か記録が残っているかも。(長く忘れられていたことと関係がある可能性も)

UCVはちいきたんけんナゾときチャンも面白いです。
ちいきたんけんナゾときチャン!!
http://www.ueda.ne.jp/info/nazo.html