いろは五無斎

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立科町のふるさと交流館芦田宿がリニューアルしていました。立科うわさMAPというのもあって何やら面白そうでした。
http://tateshina-go.com/

保科百助と立科町の地質に関する展示も増えて、とても嬉しいですが、内容については疑問に感じる点もあり、書籍と同じで鵜呑みにはしない方が良いかと。

先日の講演会は21、23、24日に放送があるそうです。
http://www.tcv21.co.jp/community/index.htm

生誕150年の事業で子ども向けの五無斎狂歌カルタを作るそうで、これも面白そうです。
試しに自分で好きな歌を選んでみました。下の句の一文字目が取り札の文字になるようにしましたが、えそぬらるろゑをん は適当な歌が見つからず、二文字目以降にしました。(「えび茶式部」「掃除のすきな」等は矢沢米三郎にまた「風教に害ある」と言われそうで外しました。)

(評):五無斎保科百助評伝
(全)(通)(お)(論)(売)(巡)(病)(採):五無斎保科百助全集
(よ):よいかゝをほしな百首け
(野):野帳、(武):武石小学校新聞、(詩):詩伝・保科五無斎

あ お月様見る度毎に思ふかな アナタでもよしかゝにほしなと(よ)
い 君と予は千代に八千代にさゞれ石の いはほとなりて苔の生すまで(採)
赤毛布(あかげつと)麦藁帽の意義問はゞ ウオーム、ハートと、クールヘツドと(論)
え 速に拡めてほしな是術を 変色なとは絶えてせん織(評)
お 御あしなし草鞋なしには歩けなし おまけなしとはおなさけもなし(評)
か あの雲を鏡台山になぞらへて 隠れし月を待ちもこそすれ
き 法螺百とラッパやさんの取り組を 行司して見よとちらカツ山(評)
く 子があらば壱本ほ科学校へ くれてみや坂僕はたのもう(評)
け つき見ればつちにのみこそ悲しけれ 玄能石のなきにあらねと(評)
こ 奥山で霧にまかれし其時に ゴムサイヒャクもセンとなるらん(通)
さ 眼が一つ見江ずは頓て六無斉 さて其次は七無さいかナア(病)
し 米相場妙に高いと聞くものを 尻餅四四の十と六臼(評)
す 山禎(やまてい)の人物如何にと人とはゝ 水平線の上にこそ出め(評)
せ 行水をする度毎におもふかな せなかをながすかゝをほしなと(よ)
そ かゞむともやがては伸びん志やくとりの おかしなさまも時にこそよれ(売)
た 長野からキシャ/\/\でキシャけれど 田口で雨が少しバシャ/\(評)
ち 無始無終洪大無辺の世の中に 小さくなるなデカイ事せよ(通)
つ ○(れこ)なくもなとか撓まん我こゝろ つきまわるなりめしと天道(評)
て あまた度かりねの旅はしつれども てんで寝られぬ宿ぞかなしき(詩)
こゝろある人に見せ度し五無斎が 鳥の料理と国のれうりを(巡)
な 二ケ年の旅にかな気はぬけにけり なべ釜ならばさぞやよからう(よ)
に ご注意が碓氷の汽車に乗り後れ 二番の上りここでまつ井田(評)
ぬ 雪道に筆屋車の重くして なまくら鎗のやりきれぬなり(巡)
ね 日蔭溶する暁は格別に ね床の中の惜まるゝ哉(評)
の 一円かおやま(小山)たまげた鐚(びた)もなし のばしてほしな年の暮れまで(詩)
は こほり水左団扇で橋の上 はだぬぎで見る夏の夜の月(評)
ひ 今日から八(は)五(い)と六(むつ)か四九(しく)七(な)り申す 一つ十(と)ころを二三べん読め(通)
ふ 歌よみの徳は御酒を頂戴し 筆を売ったり法螺を吹いたり(売)
へ お茶一つ頂戴したる御礼に 下手ではあるが書いてまゐらす(売)
ほ 我国で名物男見立つれば 保科五無斎 伊藤博文
ま ありがたしわがかたみにと植ゑられし 松は萬年五無(われ)は百年
み 留守宅で昨日見し花今日ほしな 三鉢四鉢はなんとなるさわ(成沢)(詩)
む 飲むからにどぶの中へも飛び込めば むべ水酉を酒といふら舞(全)
め 伊那の地を金箔つきのひのくるま めぐり/\て君を訪ふら舞(売)
も 親もなく妻なく子なく○なくも もつべきものは友にそありける(評)
や 我死なば佐久の山部へ送るべし 焼てなりとも生までなりとも(野)
ゆ 壱弐割法螺もあろうが是丈は 許してホシナ用捨しん聞(通)
よ おふじさん日毎に諏訪の水かゞみ 余程あなたはおしやれものなり(採)
ら 世の中をいとうはやぼだ末長く 愉快にくらせおのが気儘に
り 東洋に喰ひない親仁(おやぢ)三たりあり 李爺(りや)大院に勝の海舟(武)
る 雨はふる足はつかるる日は暮るる 腹はへるとも宿る屋もなし(評)
れ かたはらに石の山をば築つくとも ○(れこ)のなきこそ璧(たま)に疵なれ(評)
ろ とと無くも酒は徳利にこれ甲田 心隠岐無く精一杯に久米(詩)
わ 遊つくりと志やばにくらしてさておいで わしハ一トあ志チヨツトお先へ(全)
ゐ 下さらぬきかは知らねど旅費ほしな ゐのししぐらゐどうだ柴崎(詩)
ゑ 徳たけのうめに松をば添へにけり なほも鶴亀鶯の声(詩)
を 四十八のさかつきほしな更級の 田毎の月を此處でながめん
ん 四十から筆屋六十代議士で 七十以後は総理大臣(評)


入れる場所が見つからなかったのですが、こんな歌も良いですね。

あの雲を鏡台山になぞらへて 今宵は此處で月見しのゝゐ
極楽に迚も望のうせし身は 地獄の谷の湯加減を見ん
丸子村逆さに読めばこまり村 順によめ/\順によめ/\(採)
千両の金をほしなが百計も つきて助けを人によばなん(評)
うまい蜜吸は(ん)ものをと飼う蜂に 月給迄もなめられてけ里(評)
これのみが一生の願ひかゝほしな おれの女房に来てもみや島(評)
国の為免君のためとて尽すみは なんのはばかる事かあるべき(評)
浅間山華厳も既に古くさし 満韓蒙古さては西比利亜(よ)
我法螺は吹くとも尽きじ信濃なる 浅間の嶽はふき尽すとも(評)
七重八重腰は折れども山吹の 黄金(こがね)貸す人無きぞ悲しき(お)
此親がありて此子もありしなり 此子がありて此橋もあり(売)
此硯穴のあく程すりもせば やがて手書きと君ハなるら舞(売)
奥の間に宿はいけぬと断りの こゑきく時ぞ夫ハか南し幾(売)
議員たる資格は無論無けれども ほかの野郎にやありと思ふか(売)
御酒もよしお料理もよし殊にまた この屋の女中でかく別品(売)

以前の関連の記事です。

よいかゝをほ志な百首け(続き)
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/29786766
講演会「保科五無斎 狂歌で語る人と業績」
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/33648411
保科百助の学習会と『信濃公論 復刻版』
https://kengaku5.hatenablog.com/entry/34779062