ソコダラ科の化石

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先日、別所層の化石標本を見せて頂いていたら、ハダカイワシ科らしき鱗で、ラベルが「ソコダラ科」になっているものがありました。『地球科学 第82号』「別所累層産魚鱗化石について」(1966)を参考にしたとのお話しだったので、改めて資料を見てみると、ソコダラ科については5スケッチ(B型2個、G型、H型、L型)と4写真(B型、G型、H型、L型)が載っていて、スケッチはハダカイワシ科にも似ているようでした。

ハダカイワシ科の放射状の線は被覆部(基部・頭側)の溝条(条溝)で、ソコダラ科のスケッチの放射状の線は露出部(頂部・尾側)の棘の列なので、実物を見れば(保存状態の良いものであれば)たぶん見分けられるのではないかと思います。

上の1枚目の写真はソコダラ科型 図版-1(B型)と-7(G型)、2枚目の写真は図版-1(H型)と-8(L型)。
3枚目の写真はハダカイワシ科型 図版-2(C型)です。(右が頭側。左下にもう1枚重なった状態かも。)

スケッチでの向きは大部分、左が頭側、右が尾側になっていて、ソコダラ科型の8(B型) 18(G型)も左が頭側ですが、9(B型) 19(H型) 23(L型)は右が頭側ではないかと思います。
写真図版では向きは混在していて、図版-1(B型)は左が頭側、その他の-7(G型)、-1(H型)、-8(L型)は右が頭側ではないかと思います。(G型はスケッチ(18)と写真(-7)で向きが反対(180度回転?)です。)


ちなみに、4枚目の写真はタラ科?のウロコ(図版-9 J型)で、これもハダカイワシ科に似ていますが、比較的大きめで、被覆部(基部・頭側)の隆起線が特徴的に大きくうねって、火焔土器を思わせます。

5枚目の写真は『上田市誌 自然編 上田の地質と土壌』(2002) 88頁より。説明の「タラ科」は「タイ科」の誤記かも。ただし放射状の溝条はタイ科以外のスズキ等でも見られますし、まだ「タイ科型」「タイ科に代表されるような形態」という意味に止まるようにも思います…

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