2015-01-01から1年間の記事一覧

夏休みの化石採集(8)

黒色頁岩の表面の拡大写真です。1・2枚目の写真の幅は約2mm、3枚目の写真はそれぞれ幅約0.5mm。白い粒々は有孔虫化石や炭酸カルシウムなどの鉱物。黒い粒は植物片など。金色の光を映す粒は黄鉄鉱。 有孔虫化石は常に目にしているはずですが、種類や特徴を説…

夏休みの化石採集(7)

化石採集をした別所層の黒色頁岩です。露頭によって見た目等に違いがあるので、慣れると、それがどの露頭の石なのか、ある程度わかるようになってきます。例えば、写真中央の2つの石は同じ場所にはないので、標本箱に一緒に入っていたりすると、別露頭の標本…

夏休みの化石採集(6)

以前、四賀化石館で頂いた魚鱗化石の拡大写真です。1・2枚目の写真はニシン科、3・4枚目はハダカイワシ科。https://kengaku5.hatenablog.com/entry/15170534 化石が見えている断面は、外向きの断面(鱗の内側から外側に向かって見ている)か、内向きの断面(…

夏休みの化石採集(5)

画像は『地球科学 第82号』「別所累層産魚鱗化石について」(1966)にある魚鱗化石のスケッチです。(この他、写真も載っています。PDFではよく見えませんが) 図中の棒線は1mmを表しています。 元の図には魚の種類の記述がなく、種類を知るには、図番の表で型…

夏休みの化石採集(4)

マツの葉の化石を見つけた方がいて、見せて頂いたら三葉でした。葉の長さ約8cm、幅1mm。元々の葉の長さがさらに長かったかどうかはわかりませんでした。 中新世・鮮新世ではオオミツバマツがあります。葉の特徴を知りたくて、検索してみましたが、球果ばかり…

茶臼山恐竜公園

月曜日にテレビで茶臼山恐竜公園誕生の番組を放送していました。 茶臼山自然史館(昭和60年9月~平成19年11月)に関連して恐竜公園が作られたのかなと漠然と思っていたのですが、恐竜公園(昭和55年)が先なんですね。それがきっかけで自然史館ができたので…

夏休みの化石採集(3)

上田創造館のペッカムニシキ Palliolum (Delectopecten) peckhami の標本の一部です。朱色の線で囲んであるのがペッカムニシキなのですが、それらに混じって細長い帯状の棲管らしきものが見えます。2枚目の写真は展示品ではありませんが同様の化石です。(展…

夏休みの化石採集(2)

写真は故中沢克三先生所蔵の標本でタコブネだと思います。化石種の Mizuhobaris izumoensis でしょうか。タコブネの写真を探して見ると放射肋が明瞭なものがほとんどですが、この化石では肋ははっきりしません。 黒色で潰れた殻の破片が見えるタイプ、灰色や…

夏休みの化石採集

夏休みに入って2回露頭へ出かけました。魚、魚、植物、魚、たまに貝化石という感じ。 ソコダラ科と思われる魚の骨をいくつか見つけた人がいました。 上の写真は上田市立博物館所蔵のソコダラ科化石の写真の一部です。 出典: http://museum.umic.jp/hakubuts…

塩田平ガイドマップ(14)

竜王の上池(1、2枚目の写真)と下池(3枚目)です。 上池・下池の読み方は『手塚誌』(2013)では「うわいけ」「したいけ」となっていますが、「しもいけ」等もあるかもしれません。『手塚誌』には「上竜王池」「下竜王池」の記述もあります。この程度の名称…

塩田平ガイドマップ(13)

絵堂の地蔵の前には石燈籠が2つあって、左が「寶暦九卯十月日」(1759)、右が「天保七丙申年 七月吉祥日」(1836)。石材は宝暦9年の方は主に緑色化した流紋岩(緑色凝灰岩?)、天保7年の方は主に安山岩です。 石の表面の拡大写真は、上から、天保7年の石燈籠…

魚の化石

先日の上田染谷丘高校地学班の展示にあった魚の化石です。(1枚目の写真) 中央左上と右下に主鰓蓋骨が見えます。左上のは左向き(左が頭で右が尾)、右下のは右向き。右下の主鰓蓋骨の下部に白っぽく見える部分がありますが、これは下鰓蓋骨が重なっている…

創造館の珪化木

上田創造館にある別所層の珪化木です。表面に放射状の鉱物結晶がたくさんあります。黄鉄鉱・白鉄鉱化した植物化石もある所なので、石膏?でしょうか。(※追記 5mmほどの球形の鉱物で、石膏ではなく、クリストバル石かもしれません) 後ろの細長いものと「銘…

創造館の貝化石(続き)

創造館にある貝化石の続きです。 「貝 青木層」化石の長さ約25mm(イガイの仲間?)、「マテガイの仲間 小川層」約50mm(イズモノアシタガイ?)、「タニシ 新期上小湖成層」約40mm これらの地層は、比較的柔らかいせいか、別所層に比べると化石の採集機会は…

塩田平ガイドマップ(12)

絵堂の地蔵です。(1つめの写真。その下は表面の拡大) 「絵堂」の読みは本や文書では「えど」「えどう」があり、どちらもあるのかもしれません。 雨乞いにまつわる話が2つあって、一つは、元々この石地蔵は下之郷の絵堂にあったのが、大旱魃の年、村境の絵…

創造館の貝化石

先日、上田創造館の鉱物・岩石・化石展示室を再訪したら化石や鉱物の標本が増えていました。 上から「貝 青木層」(化石の長さ約55mm 海成層)、「貝 小川層」(約35mm 海成層)、「ドブガイ 大杭層」(約90mm 湖成層等)。 青木層の貝化石はハマグリの仲間…

文化祭の化石展示

上田染谷丘高校の文化祭で地学班の展示を見てきました。年によって違いますが、地質標本や所蔵の五無斎標本などの展示があります。今年は別所層の魚化石、大杭層の昆虫化石、独鈷山の岩石等があってとても勉強になりました。 化石標本にいろいろなイラストが…

塩田平ガイドマップ(11)

五加八幡社の石燈篭(明治十四年三月起工、三十一年五月竣工 市指定文化財)と八幡社改修記念碑(昭和57年)です。石燈籠の「修善生洪福」は勝海舟(1823-1899)の揮毫。改修記念碑の文字は佐久間象山(1811-1864) が文久2年(1862)に揮毫した五反幟(約12m×1.66…

「英傑の書」展覧会

上田市立美術館 市民アトリエ・ギャラリーの「英傑の書」展覧会を見てきました。 歴史的人物の書を間近に見ることができるのは貴重な機会だと思います。 文字を読んで内容を知るところまで行くのはなかなか大変で、途中からは眺めるだけのことが増えてしまい…

塩田平ガイドマップ(10)

昨日の記事の続きです。「願海の道祖神(保野)」はこちらでしょうか。 左側の文字が、よく見えませんが「菩薩僧 願?」(その下に梵字)と読めます。 (手塚の「甘雨順時行」の幟にも「菩薩僧願海拝書」とありました。) 場所は市神の所(市神のすぐ南西。…

塩田平ガイドマップ(9)

塩田平ガイドマップにある「願海の道祖神(手塚)」です。(中央の文字碑) 付近には願海の筆の「仏頂尊勝陀羅尼塔」が3つほどあります。書体は少し異なるものもあります。(2番目の写真) ガイドマップにはもう一つ「願海の道祖神(保野) 保野の旧道の脇に…

塩田平ガイドマップ(8)

上窪池西、泥宮境内にある塩田鯉発祥の記念碑です。昭和43年(1968) 塩田鯉養殖10周年に建てられました。 塩田平ガイドマップにはありませんが、特色ある文化財の一つだと思います。 塩田鯉 昭和三十二年この地に発祥 半田孝海書 (裏) やまの影 志づ免る池…

塩田平ガイドマップ(7)

下之郷公民館前の如意輪観音像です。南西隅、道路沿いにあって道祖神と並んでいます。 塩田平ガイドマップに「下之郷石造観音像 首がとれているが、古い時代のもの。公民館の庭隅にある。」とあるのは、これでしょうか? 破損はしていますが首は残っているよ…

塩田平ガイドマップ(6)

北向観音の芭蕉句碑です。 芭蕉翁 観音のいらか見やりつはなの雲 東武松露菴門人 別所 手塚 連中建 安永甲午暮春 塩田平ガイドマップには掲載がなく、別の碑が「芭蕉句碑」として載っていますが、こちらの方がよく知られていると思います。 安永3年(1774)3…

塩田平ガイドマップ(5)

岳の尾の道祖神(衢彦神 ちまたひこのかみ)です。2つめの画像は表面の拡大写真。 塩田平ガイドマップでは解説はありますが地図にはありません。 別所温泉の南西、岳の尾集落の北の入り口、西からの道と北からの道の合流する所にあります。 衢神は猿田彦神の…

塩田平ガイドマップ(4)

西光寺仁王門前の孫兵衛石です。 塩田平ガイドマップでは場所については「西光寺門前にある」とあるだけで、地図に記載はなく、写真もありません。現地に案内等は見当たらず、知らないと、どの石なのかわからないでしょう。 『富士山村の歴史』(1998) 592頁…

カエル調査

松本市で9月まで市民カエル調査(分布調査)をするそうです。 https://www.city.matsumoto.nagano.jp/shisei/kankyojoho/osirase/kaeruchousa.html できれば中間報告を多めにするとより関心も高まるのではないかと。週間、月間等。 松本城南の縄手通りにある…

塩田平ガイドマップ(3)

上田市の鴻の巣(市指定 名勝)です。 塩田平ガイドマップの解説には「1700万年前の浅い海に砂や礫が堆積してできた」とありますが、現地説明板では「約一三〇〇万年前から九五〇万年前にかけて堆積した礫岩と砂岩で、「青木層」と呼ばれる地層の一部です」…

塩田平ガイドマップ(2)

先日の記事の続きです。 ガイドマップの中の「峯村国一歌碑」というのがわからなくて、地図で示された場所に行ってみたのですが、わかりませんでした。写真(1~3枚目)は同所にある「峯村嘉孝翁之碑」です。 郷土史に詳しい方にまたきいてみようと思います…

TMT次世代超大型望遠鏡

土曜日にマルチメディア情報センター サイエンスカフェ「TMT次世代超大型望遠鏡のお話」を聞いてきました。概要を一般向けにわかりやすくかみくだいたお話しでした。 TMTの概要 http://tmt.mtk.nao.ac.jp/intro-j.html 以下のサイエンスチャンネルの動画とも…